石巻市大川・釜谷地区の
復興を応援する芝桜の花壇
花が地域のみんなをつなぐ

東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた石巻市大川・釜谷地区では、地域再生のために花木を植える活動が行われている。この活動に多くの賛同が寄せられ、「2000いぐする!」を達成。株式会社明治による「芝桜(シバザクラ)の花壇」の支援が決定した。この程、ボランティアの協力を得て、地域の皆さんが芝桜の植栽を行った。


観音像の広場に
念願の芝桜を植栽

 東日本大震災から5年半となる9月11日、震災で大きな被害を受けた石巻市大川・釜谷地区で、地域の方やボランティアによる芝桜の植栽が行われた。

 場所は津波で流された観音寺の跡地。ここには震災の犠牲者を供養する観音像が建立され、地域のよりどころになっている。この日、観音像を取り巻くように造られた花壇いっぱいに芝桜の苗が植えられた。

 大川・釜谷地区では地元の皆さんが中心になり、震災で犠牲になった方の鎮魂のため、犠牲者の数と同じ269本の桜の植樹や季節の花木を植える活動が行われている。震災復興など宮城をよくする活動を応援するプロジェクト「いぐする!宮城サポーターズ」で大川・釜谷地区の活動を紹介したところ、多くの賛同が寄せられ、「2000いぐする!」を達成。株式会社明治による支援で今回の芝桜の植栽が実現した。

 活動の中心となっている阿部良助さんは、「震災後に観音様ができた時から、この場所に芝桜を植えるのが念願でした。地道に活動していればちゃんと見てくれる人もいるし、支援してくださる方もいるのですね」とうれしそうに話す。

地域の方が集まり、一つ一つ丁寧に芝桜の苗を植えた。花壇の造成は造園関係のボランティアが支援した


花木を植える活動で
地域のつながりを

 今回、提供された芝桜の苗は1200ポット。ボランティアとして大川・釜谷地区の活動を支援する「花と緑の力で3・11プロジェクトみやぎ委員会」のメンバーが花壇をデザインし、花が咲いたとき、観音様が空の上に浮かんで見えるようバランスを考え、青と白の芝桜でウエーブを描くように配置した。背後の山の斜面には後光をイメージしてヤマブキが植えられた。来年のゴールデンウイーク頃には芝桜が咲き、この地を美しく彩ることだろう。

 復興が進むにつれ、自立再建や災害公営住宅に移るために地域を離れざるを得ない方も。生活の再建は、一方で地域のコミュニティーが失われていくことでもある。花木を植える活動には「地域のつながりを失わないように」という願いが込められている。

 「花木の植栽活動は、みんなが集まる機会になります。この地域に暮らしていた人がバラバラになってしまわないように、こうした活動を続けていきたい」と阿部さんは話す。

観音寺の跡地にはさまざまな季節の花も植えられ、地域の方が定期的に手入れをしている


ふるさとをもう一度
明るく美しい場所に

 芝桜の植栽が終わった後、参加者は即席のテーブルを囲んでお茶を飲みながら近況を語り合った。震災前のふるさとの思い出話に花が咲く。震災後にこの地を離れて暮らす参加者の一人は「ここに戻ってきて、みんなに会うとほっとします」と笑顔を見せる。「芝桜が咲いたら、また地域のみんなで集まってお花見をしたい」と話す参加者も。

 11月には269本の鎮魂の桜の植樹も完了。「震災で被害を受けたふるさとをもう一度明るく美しい場所にしたい」という地元の皆さんの思いは、温かい支援を得て実現していく。

 「震災の時の思いは忘れられません。それでも、一歩前に動こうという心と勇気は大事ですね」と阿部さんは話してくれた。

花木を植える活動の中心となっている阿部良助さん

植栽が終わった後、お茶を飲みながら近況などを語り合う参加者たち。この地域を離れて暮らす方も多く、久々の再会に笑顔も


当日植栽されたものと同種の芝桜(イメージ)。来春の開花が待ち遠しい

「いぐする!宮城サポーターズ」とは
 宮城をもっと「いぐする(よくする)活動」を応援するプロジェクト。応援したい活動に対しウェブ上で「いぐする!」ボタンをクリックし、「2000いぐする!」に達すると、協賛企業から支援が届く仕組みです。ことし5月の始動以降、続々「2000いぐする!」を達成。さまざまな活動への支援が実現しています。

「いぐする!宮城サポーターズ」事務局/河北新報社 東京支社営業部 TEL.03-6435-8401
企画制作/河北新報社営業局

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