石巻の子ども達のために遊具を充実、
復興のための活動を支援

地元の小中高生が中心となって企画・デザインした新たな児童館であり、復興を目指すメンバーの活動拠点にもなっている石巻市子どもセンター「らいつ」。震災から5年がたった現在でも、子どもたちが気軽に楽しめる場は少なく、施設をさらに利用しやすくするとともに、活動の輪を広げるための支援が求められている。

乳幼児から高校生まで利用できる「らいつ」:
「らいつ」には権利(rights)と
光(lights)の2つの意味がある


のびのび楽しめるのが施設の最大の魅力

 「らいつ」が石巻市中心部の立町大通り商店街にオープンしたのは2014年1月。サントリーホールディングス株式会社の支援のもと、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンと市内の小中高生でつくる「石巻市子どもまちづくりクラブ」が企画・デザインし、石巻に寄贈した。設計コンセプトから壁の色まで、子どもたちのアイデアが各所に生かされている。

「らいつ」の外観

 施設は木造2階建てで、延べ床面積は約500平方㍍。設計コンセプトは「みんなが過ごしやすく、ゆったりした空間」で、1階には明るく開放感あふれるギャラリーに加え、図書コーナーやスポーツ室なども設置。2階には自主学習やワークショップなどに使える部屋が複数あり、屋上には次世代の畑(プランター)も設けられた。施設の運営を考えるのも子どもたちが中心で、イベントや利用方法などは「子ども会議」を通して決定される。
 近藤日和さん(高校3年)は、施設の構想段階から関わっている子どもまちづくりクラブメンバーのひとり。「みんなで考えた施設がそのまま実現できて本当にうれしい」と完成した施設に大満足。特に気に入っているのが、隠れ家的な雰囲気の図書コーナーだ。「カーペットの上に寝転んで本が読めるので、とても落ち着きます」。また、バスケットボールなどができるスポーツ室や大声が出せる防音室もお気に入りで、18歳未満なら誰もがいつでも自由にのびのびと楽しめるのが「らいつ」の最大の魅力だと話してくれた。

近藤日和さん

子ども同士の多彩な交流が積極的な活動の原動力

 「石巻の復興のために何かしたい」という子どもたちが集まって2011年7月に発足した同クラブは、現在「らいつ」を拠点に活動。14年度には、隣接する商店街の活性化を目指してマップなどを作成した。そして15年度からはさまざま視点からまちづくりを考えるため、「防災」「環境美化」「地域のつながり作り」「情報発信」などのチームに分かれて活動している。防災チームの千葉蓮さん(中学1年)は「大事なのは被害を最小限に抑えること。防災に関する知識だけでなく、地域のつながりの大切さも同世代に伝えていきたい」と話す。

千葉蓮さん

 同クラブでは今後も積極的に活動していく計画で、その原動力となっているのが「らいつ」から生まれる子ども同士の多彩な交流だ。「今は同じ目標を持つ大切な仲間だけど、この施設がなければきっと出会うことはなかった」と強調する近藤さん。多くの出会いのおかげで、将来の目標もより明確になったという。

子どもの日だからこそ、
子どもの声を発信しようと実施された市役所と意見交換会

 「らいつ」の昨年の利用者数は約3万人。特に中高生世代の利用率が高まり、昨年7月からは開館時間を午後7時まで延長している。「震災で幼児や小学生が遊ぶ場だけでなく、中高生世代が気軽に集まれる場所も減少している。その受け皿となることで、より多くの出会いと活動が生まれれば」と職員の吉川恭平さん。「乳幼児から高校生世代までの幅広い子どもたちが利用する施設。遊具(設備)も充実させたいですね」。

 サントリーではこうした声を受け、中高生をはじめ施設を利用する石巻の子ども達のために、「らいつ」の遊具(設備)を充実させていく支援をする予定だ。

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