震災を風化させないために。
「名振マザーミサンガ」を応援

石巻市雄勝町の名振(なぶり)漁港の女性たちが、震災復興を願って作り続けている「マザーミサンガ」。震災の風化とともにその受注数が減る中、AKB48 チーム8の山田菜々美さんが応援のために現地を訪れた。

名振マザーミサンガの会の皆さんと
AKB48 チーム8の山田菜々美さん(前列中央)


ミサンガの作りが生活再建の力に

 魚網の補修糸で作られる美しい彩りの「マザーミサンガ」。東日本大震災で大きな被害を受けた石巻市雄勝町名振漁港の女性たちが、生活再建と復興への願いを込めて一つ一つ手作りしているミサンガだ。
 名振マザーミサンガ代表の大和美代子さんは震災当時を振り返ってこう話す。「津波で全てが根こそぎなくなり、それは言葉にならないような思いでした。顔を洗おうにもタオルさえない。そうした状況の中でミサンガを作ることで収入面、そして精神面の両方で本当に救われました。」
 同地区の避難所になった名振コミュニティセンターには、着のみ着のままで津波から逃れてきた人がほとんどだったという。
 先の見えない避難生活の中、女性たちが気を紛らわすために折り紙を折っていると、ボランティアの方がこう言った。「折り紙でなく、ミサンガなら売れるかもしれない」。それがミサンガ作りのきっかけになった。

海の幸を育む宮城・三陸の美しい海に面する雄勝町

 本で調べながらミサンガ作りに挑戦するものの、うまくいかない。挫折しかけながらも、魚網を拾い、それを洗っては地道に作り続けた。ようやくでき上がったミサンガをボランティアの方が北海道のイベントで販売。その後、学園祭やさまざまなイベントで販売され、全国から注文が入るようになり、ミサンガは名振の女性たちの生活再建の大きな力になった。
 「ミサンガを売って得たお金は、それまでの十倍も百倍も価値があるものでした。本当にありがたかった。生活必需品を揃えたり、ご主人に漁の道具をプレゼントした方もいました」と大和さん。
 メンバー13人で協力し合い、40種類以上の編み方を独自に工夫。当初は一つ作るのに3、4日もかかっていたが、数時間で仕上げることができるようになり、眼鏡や携帯電話のストラップなどの商品も開発した。

会の方からミサンガ作りの手ほどきを受ける山田さん

AKB48 チーム8が全国に情報を発信

 震災から5年が経った今、被災地への関心が薄れ、ミサンガの注文も減ってきているという。そうした現状と課題を知ったアイドルグループAKB48 チーム8は「まずは皆さんのお話を聞きたい」と、5月上旬にメンバーを代表して山田菜々美さんが名振コミュニティセンターを訪問。

一つ一つ、手作りでミサンガが編まれる

実際に作り方を教えてもらいながら、ミサンガへの思いに耳を傾けた。
 チーム8の新曲「夢へのルート」(6月1日発売のAKB48のニューシングル「翼はいらない」に収録)のセンターを務める山田さんは「新曲は応援の気持ちが歌詞に込められたメッセージソング」と話し、マザーミサンガを応援していくことを約束。

全国から届いた、たくさんの応援を仕事場に大切に掲げている

「私たちのメンバーは47都道府県から一人ずつ選ばれています。メンバーを通じ、全国に広げていきたい」と山田さん。
 通常のミサンガは切れると夢が叶うと言われるが、マザーミサンガは魚網の補修糸で作っているため丈夫で切れないのが特徴。「支援して下さる方との絆の強さを表しています。ミサンガを通じ、震災を忘れないというメッセージを伝えたい」と大和さん。

自身で編んだミサンガと山田さん
AKB48 チーム8についてはコチラまで

 震災を風化させないために、今、新しい支援の輪が広がろうとしている。

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